2011年5月16日月曜日 12:20

東電の超ゆっくりな「データ整理結果」

2011-05-16の朝日新聞の朝刊第1面に大仰な記事;
図1 第1面トップ:溶融 津波5時間半後から 東電解析 1号機燃料,全露出
 が踊った。どれだけ凄い解析が行われたのかと思い「3面=解析結果の詳細」を拝見した;
図2 3面:1号機原子炉内の解析結果
なんと「原子炉水位の経時変化の図」が「東電の解析結果」のようである。

これに類する「水位の時間変化グラフ」はかなり早い段階で週間朝日で拝見した。それも不完全ながら,1,2,3号機のグラフだったと記憶している。勿論,「水位計の健全性」,「作業員の記憶」,「作業ログ」,「VTRなどの記録」等の突き合わせなどによって確証を得るのに時間がかかっただろうとは推察する。

しかし,仮にも「水位計の読み値」は記者会見でも毎日報告していたので,当然毎日プロットしていた訳で,なにも「2ヶ月もかけて解析」して判ることなのか。むしろ,どんな場合でも最小限行うデータ整理として,毎日そのグラフを眺めて,虚心坦懐にグラフを解釈していれば, 
  • 『原子炉水位:+5m→-4m』 
と急変した時に,「核燃料棒に大事件発生」といった大雑把な見当が付くのではなかろうか?

百歩譲って,このグラフを記者団に公開していれば,たとえ東電・本店のエリートさん達や原子力安全・保安院の専門家さん達には解釈出来ない(判っていても口に出せない)としても,多くの常識人から疑問や解釈が出て来たのではないか。さらば,到底「水棺」という自分勝手な方策の為に時間を浪費しなかったのではなかろうか。

また気になるのは,これまでの説明の根拠と,今回の結論となった根拠が丁寧に示されていない事である。これまで事態を悪化させているにも関わらず,誰にでも判るような説明をしているとは思えない。素人に判り易く噛み砕くのは大変かもしれないが,通常の理工学のバックグランドのある人向けに説明する位はする責務が東電にはあるのではなかろうか。

「水位」だけでなく,「温度」「圧力」などのパラメータや,「海水注入」「消防車などの水の散布」「ポンプによる水の注入」「窒素ガスの注入」などを含めたパラメータを即刻公開するべきだろう。勿論,1,2,3,4,5,6号機の全てのデータを公開するべきだろう。
  •  これらの時系列のグラフや表を東電のサイトに表示する。
  • 記者会見で,これらのグラフについての解釈を記者団に説明の上で,質問を受ける。会見の出席者の時間が効率よくなるとともに,TVやインターネット越しに会見を見ている視聴者にも理解され易い。

最早,これらのデータは東電とか政府の所有物ではなく,全ての日本国の国民,空気・海水を共有する地球の人々すべての所有物と考える必要があるのではなかろうか? ジャーナリストの皆さん達の奮闘を祈る。

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