まず保安院の会見は,全然緊張感もなければ,内容も無いというものだった。記者もお役目だから聞きに来ましたというスタンスで,質問というより当てこすりにちかかった。もう二度と保安院の会見は見る事はないだろう。このような場合,ニコニコ動画のタイムシフトは,早送り再生(x2,x4, x8)位があると便利だとおもった。
肝心の東電の会見も途中から他の作業をしながら音声を主としてきいた。プレゼンテーションとしては図・表・VTRを使って大分判り易く成っていた。でも,肝心の「現状を国民の代表としての記者団の皆さんに判り易くお伝えする」というレベルではどんどん退化していると感じた。
- VTR画面をインターネットで見るのだから見難かったが,防護服を来ながら梅雨時や夏に作業をするのは過酷作業だと怖くなった。
- 2号機,3号機の原子炉建屋の状況の説明を丁寧にして欲しかった。
- 出来るものなら,記者団に加わって自分で質問したくなった。
各論はともかく,武藤さんが「東電・原発軍団のボス」としての立場に固執しすぎているのが最大の強みであるのと同時に,最大の欠陥となりつつあると感じる。
私は,武藤さんのようなエリート生活を送ったことがない落ちこぼれであるが,正直にいって,これまでの武藤さんの説明や,思考法にある意味共感を持っているのも確かである。で,昨日の会見をお聴きしていて,私には次の様な推測が浮かんで来た;
管首相は原発事故の初動報告を保安院から受けたものの要領を得なかった。その後,原子力安全委員会とうからブリーフィングを受け,危機感を募らせていた。水素爆発の対処を念頭に,1Fの現地で武藤さんの説明を聞いて納得したのではないかと推測する。さらに突っ込んで推測すると管さんは,保安院の説明に落胆して,管・武藤ラインで強行突破する覚悟を決めているのではないかと...。不幸な事に,官邸でも,東電でも,身内の中で管さんも,武藤さんもそれぞれお山の大将になっているので,仲間内を納得させる必要がなく...,言い換えれば暴走が可能な状態になっている。アイデアが良くても,そのアイデアを仲間内で揉み,具体化するという意味では成功していない。そう,イエス・マンに囲まれてしまっていないだろうか。
そう思うと,武藤さんが「数値解析」のある程度の説明やその健全性のチェックについてなにも説明しないで,天下り的に其の結果だけで言いくるめようとしているのが納得出来る。管さんや武藤さんはそれぞれの部門での皇帝になっているので,説明責任のことを奇麗さっぱりに忘れているのだ。
確かに,「地震・津波発生から2種間程は,混乱の最中,正しい方向に舵を取る」という意味で,武藤さんの説明には合点が行く。しかし,原子炉の運行データが纏まり,断片的にも放射線線量率とか核種分析の結果がどんどんと集積始めた段階で,TMIのデータとか解析結果から,
- 燃料棒の溶融,したがってメルト・ダウンが発生し,原子炉圧力容器の底(制御棒の注入場所でもある)を溶融に繋がる
だから,今更,管さんや武藤さんに国民や記者団に向かって判り易い説明を求めるのは無駄だと考えるようになった。その代わり,国会に原子炉事故特別調査委員会を設置し,各党から有識者5名,従って数十人規模の有識者と国会議員とで非公開の調査を開催し,喚問者として;
- 管首相
- 武藤・東電副社長
- 原子力安全委員会委員長
- 原子力安全・保安院院長
その 原子炉事故特別調査委員会のメンバーが内外の記者団に1日をフルに使って,国会で記者会見し,TV放映を地デジ・BS・CS・インターネットの全てのチャンネルを通じて放送してはどうだろうか。
国が数兆円の支援をするのだから,事故の実際について国民は熟知する権利を持っているのだから...。
睡眠不足だが,将来の記憶の為に。2011-05-18 03:47記す。
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