2011年5月15日日曜日 11:58

東電・福島第1原発の現状把握についての私見

今朝の新聞(2011-05-15朝刊)の第1面に;
  • 「3千トン,冠水を断念」
とあり,圧力抑制室(サプレッション・チェインバ)の外側に水(おそらく高濃度汚染水) が溜まった断面図をかいています。

このように大事な点が,今頃になって明らかになるというのは信じられないです。

上の記事の中で,『原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「冷却するために水を循環させる方法の見直しを見当したい」と話したとある。』

この方は,東電記者会見で武藤副社長が直接説明をしなくなったころから記者会見にでられるようになったと記憶しています。私の推測では,この少し前にガンマ線の波高分析で間違った分析(非常に高濃度の放射線核種がでたという速報)があって,それ以来,東電の公開姿勢が変化したのだと考えています。逆に言えば;
  • 松本さんは, 速報といえども,東電に不利になる情報は極力公開しない。
  • 津波によるタービン建屋での破壊などは認めても,原子炉建屋内の健全性を疑われない様な報道に徹する。
といったポリシーを貫いていると思います。ですから『福島第1原発第一号機(1F1)に重大な漏洩か』で述べさせて戴いたような緊張感にかける記者会見をされるのだと思います。

このような東電の広報姿勢は,一時しのぎとしては効果が在るのかも知れませんが,長期的には国民からの支持を得られなくなると思います。民間会社の感覚で考えても,大量の小口ユーザが東電不信に陥ったら,どんな大会社としても経営が成り立たなくなるのが判らないとは驚きです。

他方,原子力安全・保安院の最近のコメントを聴いていると,「保安院の存在?」としか思えません。

松本純一本部長代理と原子力安全・保安院の審議官の両者には,一週間程,福島第1原発の原子炉建屋・タービン建屋を自分の目と体で体感して来てもらいたいです。その経験を踏まえて,正しい報道をしてもらいたいと考えるのは,間違っているでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿