2011年4月11日月曜日 15:08

溶融塩型原子炉

数年前。体を壊してボーッとしていたころ,学会誌で読んだのを思い出した。で「原子力発電 溶融塩」で検索すると山とでてくる。その中でも。数年前の朝日新聞の「(私の視点)原子力発電 核兵器生まぬトリウム炉検討を 亀井敬史 」」に簡潔な解説が在った。

逆に普通の原子炉と比較してみよう。要点は
  1. 「核燃料が核反応して発生した熱(エネルギー)」を効率的に取り出して,
  2. 「その熱(エネルギー)=蒸気の運動エネルギー」を利用してタービンを廻す。
火力発電所では, 上記の;
  • 燃料が核反応して...」を
  • 化石燃料が酸化反応して...」と
差し替えるだけで,同じことになっている。だから,原子炉の種類は大雑把に言って「1.」 の取り出し材料の違いになる訳だ。

原子炉は通常,軽水炉では「水」の中に燃料棒をいれて燃料棒の中の核燃料が起こした核反応に伴った熱を水を経由して取り出す。高速増殖炉では「水」の替わりに「液体ナトリウム」を使う。

「ナトリウム」は高校の化学の実験でご存知の方も多いと思うが,「水」と接触すると爆発する。普通なら安定な「水」も強度な放射線環境では『「水素」:『酸素』=2:1』に分解してたりする。ある濃度限界を超えると爆発して「水」に戻る。

核燃料を「溶融塩=岩石」に混ぜて溶かせば「溶融塩型原子炉」が出来上がる。これはうろ覚えですが,米国で「軽水型原子炉」よりも先に実証されたそうですが,「軽水型原子炉」に替わられたようです。恐らく,当時は米軍の戦略としての強いニーズ;
  • 「原子爆弾の材料を供給出来る原子炉」
  • 「潜水艦や空母へ搭載可能な小型原子炉」
があった為でしょう。

戦後の日本は,上記のような戦略の延長線上に「東海村」を発足させたので,「軽水型原子炉」一辺倒になったものと思われます。

今回の大事故をどのように乗り切られるか不透明ですが,少なくとも 「軽水型原子炉」の新設は止めて,「溶融塩型原子炉」の再考はするべきと思います。すでに「原理的な部分の実証」は行われていて,「高速増殖炉」の知見も積み重なっています。「溶融塩型原子炉」の3Dシミュレーションは「軽水炉よりもシンプル」でしょう。今後10年以内には十分実用化出来ると思います。
# いやもっと早いかも知れぬ。 今回の事故で多くの市民が支持するだろうし。
此の技術は始めから技術を公開する為に「IAEA」と共同に開発すればいいだだろう。今回の炉の問題点も踏まえて,我が国の得意とする応用開発になるのではなかろうか。

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