我々市民の多くは,「原発事故に対する政府の率直な説明」がいると思っているのではなかろうか。
『政府や官僚の高官の方々が心配されているのは「市民は真実の説明に耐えきれない」という事だろう』と,私は推測している。
でも,福島第一原子力発電所(1F)の現実は「奇麗ごとの説明でお茶を濁す事が出来ないギリギリに到達している」と思える。その最たる例は,東電のプレスリリース『福島第一原子力発電所からの低レベルの滞留水などの海洋放出について』
だと思う。
これまでも東電は「ウェット・ベント」,「ドライ・ベント」などの提案を打診して来たが,記者会見で批判されて取り下げて来た。別に,これらのベントの正当性を支持する訳ではないが,この時点で「政府は市民に対して率直な説明」をするべきだったと思う。
最早現状は『超法規的な対処』をしても,現状打破を目指すことも視野に入れて行動する必要があると感じる。それには 「政府は市民に対して率直な説明」が必須だと思う。官僚や政治家の面子は忘れるべきだ。特に政府・与党は一丸となって市民にアピールする義務が在る。
と同時に,『原子力安全・保安院の言う「東電の放射線計測の結果」に誤謬がある事が遺憾であるので,精査してから発表』という発言に頷けない。むしろ大事なのは『「放射線計測の結果に急変が起こった」という事実を,市民や世界に対して速報・公開する姿勢が優先する』ではないのか?
「1Fの現状」は通常時の原子力産業の想定している範囲を遥かに逸脱しているのではないだろうか。これを打破するには,もっと広い分野を総動員する方が良い,ある意味,NASA方式の対応が望ましいのではないか。勿論,我々の国は世界でも有数な技術立国である。しかし,世界は広い。「事実を公開」する事によって,1Fの現状を打破する知恵を広く求めることは,世界に対して恥ずかしい事ではないと思う。
また「1Fの事実を公開する事」は,今後の『「原子力産業に対する世界的な検証」の為に世界が共有すべき知的財産』に繋がると思える。その為にも,一部の利害得失の為に不明瞭な操作があってはならないと考えるものである。
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