2011年4月19日火曜日 12:03

2011-04-18参院予算委員会の論議を拝見して

野党の質問は相変わらず,感情的な質問が多い。一方,与党も,自分の非は非として認める必要があると思う。攻守とも,「無誤謬神話」に拘りすぎていると感じる。そんな中,小野次郎さん(みんな)の質問は,プレゼンテーションとして観ても説得力(放射線モニタを国会に持ち込み,部屋の中と,窓の外のゴミを掬って比較)があった。さらに質問を論理的に追求すると,良い論議が出て来ると思う。更なる工夫を期待する。なお,共産党の質問者の方は,意外と感情的に東電社長に迫っていたが,あれではこれまでに同党が提案して来ていた「津波被害の予知」が霞んでしまう。「罪を憎んで,人を憎まず」の精神を思い出して欲しいものだ。

さて昨日の論戦で,興味深かったのは2点である;
  • 首相が東電に「原発でのベントの指示した」
    • これは加藤紘一さん(公明)の「首相の視察が初動対応のブレーキになったという批判が在る」と東電社長の清水さんに指摘された中で出て来た。
    • むしろ,ここで重要なのは首相がこのような指示をだした根拠について質問すべきだったのではなかろうか?
      • なんらかの根拠により,燃料溶融などの可能性が高いとの結論に達したので,燃料爆発などのより過酷な事態を回避出来ると考えたとか...。
      • 上記の説得を拒否した東電の説明も質問すべきであった。
  • 原子力安全・保安院の最初の審議官の更迭
    • 最初に「燃料溶融」の説明をした審議官は「国民に不要な心配を惹起させるので更迭」したような説明を経産省の大臣が答弁した。
      • これは真逆な結論ではないのか。
      • 現在の審議官の説明こそが,知っている事を国民に知らせていないという意味で,国民の心配を多いに煽っているのではなかろうか。
      • この審議官の西山英彦さんは昨日になって「燃料溶融を認めた」そうだが,未だに「溶融とはっきり言うけれど,基本的な考え方自体は変わっていない」そうだ。それならそれで,その論議の根拠を示すべきだろう。
いずれにしろ,このような事実関係は現在の時点から,国会の調査権を動員して「証拠の保全」を計り,世界に向けた「事実の解明」の一歩として,丁寧に解明して行く責任が全ての国会議員・官僚・東電に求められる。

短絡的に「首相の考え間違えだ」と追求するのは,事態が収束した暁に,裁判所などでじっくり追求すべきだろう。現時点では,現在進行中の判断に資する為に;
  • 何が,どのように起こったか。
  • 現在何が判って来たか。
  • 東電のステップ1(3ヶ月程度),ステップ2(3〜6ヶ月程度)を具体的に検証する公開の会議を早く立ち上げる
ことではなかろうか。

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