国会では無理とは思っていたが,まさか報道でも「電力消費の実際動向」が論議されない様なので,試みに検討をしてみたい。
鍵は,先週の7月6日(水)から以降の電力消費動向の変遷である。というのは,自動車産業が「土日の休み」を「木金の休み」に変更した筈だから,そろそろ明示的に電力消費動向に反省すると予測していたからである。7月6日(水)から東電の電力消費グラフ,東電「でんき予報」,を保存するつもりだったが,忘れてしまった。幸い手元には7月8日(金)と7月9日(土)のグラフだけは残っているので,それを元に考察したい。
図1 7月8日(金) | 図2 7月9日(土) |
注目すべきは,「緑色の線(5分毎の実測値)」の動向である。本来ならば図1は金曜日なので通常業務の筈で,電力消費も大きい筈だ。事実,図1の「青色丸の線:去年の相当日」では, 昼食後13:00から夕方の17:00までの時間帯で4500万kW前後の値を示している。同じ時間帯について「緑色の線(5分毎の実測値)」では4200万kW前後だから,去年より300万kW程少ない。さらに,図1の「桃色丸の線」は前日,7月7日(木)の値を示すが,同じ時間帯では4000万kWを割り込んでいる。
これらは,SONYや自動車産業が
- 「木金の休み」に変更した結果を反映している
というのも,図2は本来,週末の土曜日なので,金曜日に比べて電力需要が低下する筈なのに,むしろ図1とほぼ同一な電力消費動向を示している。さらに今日,日曜日でも図2とほとんど変わらない電力消費をしている。まさに,昼間の電力消費形態は,少なくとも「木〜日」の間は平準化されつつ在ると言える。恐らく,一週間を通して,電力需要の平坦化が実現しつつ在ると考えられる。
重要なのは,経産省とか国会が論議した結果「電力需要の平坦化が実現」したのでは無い事だ。民間が世界に伍して生き抜く為に「自分たちで実施出来る効果的な方法」を淡々と実行した結果であるということだ。
まさに,「国会」「行政」などの存在意義が問われているのではないでしょうか。このような状況を一市民が簡単に分析出来るのも「報道」によるものではなく,「東電という原発事故を起こした企業のサイトでの資料」を観て判ったということです。
「国会」「行政」「報道」などの人々は,もっと時間を有効に活用して,事実の分析を元に「次の一手」について実のある論議をする義務が在る。それが出来ないなら,与野党の垣根を越えて「共に潔く辞任」すべきだ。
時々刻々と台風シーズンは近づき,子供達の健康は脅威にさらされ,脆弱な「使用済み燃料プール」は次の大型地震でどこまで持ちこたえるといえるのか。
少なくとも,原子力委員会,原子力安全委員会,原子力安全・保安院の旧来の構成員は,
- これまでの経緯に束縛されず,
- 公正な立場で判断が出来き,
- 専門能力を有すると同時に,一般市民に判り易く状況説明できる
ーーーー
このポストの履歴
- 開始 2011年7月10日 日曜日 13時31分34秒
0 件のコメント:
コメントを投稿