2012年1月15日日曜日 14:01

NHKスペシャル再放送「原発事故 謎は解明されたか」を拝見して

今日,「2012-01-15  (日)」 の11:00〜11:31ほどに、NHK総合1チャンネルでの放送として、昨年の「2011-12-27 (火)」に放送されたNHKスペシャル「原発事故 謎は解明されたか」の再放送を拝見した。

この再放送は「2011-12-26 (月)」に原発事故調査・検証委員会がマスコミに発表した中間報告をしたものをベースに、NHKが「2011-12-27 (火)」に放送されたNHKスペシャル「原発事故 謎は解明されたか」として放映されたものである。

私は、今回の「原発事故調査・検証委員会」に強い期待を持っていた;
  • 原子力村の住人ではない委員構成であり、
  • 航空機事故などに造形の深い柳田委員もおられるので、
  • 利害関係に束縛されずに、
  • 国民目線で、事故の解明、現状の忌憚ない分析が行われ、
  • 我が国だけでなく、広く世界に向けて「公正な報告」がでる。
と思っていた。

中間報告とはいえ、「東電、関連省庁、官邸」の流れについての分析は、
ある程度常識的ながら、判り易い結論とおもえる。本報告までに、問題点をどのように回避すればいいかの検討を追加して頂きたいものである。

しかしながら、「事故の現状分析」は奇麗さっぱりと欠落している。其れ自体が『「東電、関連省庁、官邸」の非協力』を物語っていると思う。とは言え、航空機事故調査では「破損機体の収集分析」を徹底して行い、次の事故を回避すると思う。原子炉事故でもそのルールは徹底して行われるべきだろう。

特に今回の東電1F事故は、いまだ状況が不明確であり、
  • 1F1,2,3,4だけでなく、1F5,6,や2Fの原発の状況すら明確に公開されていない。
  • 特に原子炉に大きな損傷を起こした「1F1,2,3,4」の原子炉・使用済み燃料プールの
    • 「耐震状況」は定量的な評価すら公開されていない。
      • 「原発のストレス・テスト」には、 1F・2Fの状況を反映するべきではなかろうか。
    • これらの建屋およびその周辺の「放射性同位元素の分布」「核燃料棒からの核分裂物質の分布」などの情報が皆無である、
    • 同時に、損傷した部分の強化作業の報告も重要ではないのか。本来、原発事故担当相が国民に報告するべきだが...。
  • 冷却水の処理と海洋汚染対策も、緊急処理を終えたとはいえ、正しい環境を取り戻す為の恒久対策なのを含めて検討するべきだろう。
  • 原発災害で被災されている近隣地区の汚染除去、健康管理もふくめて「原発事故調査・検証委員会」のターゲットではなかろうか。

正式報告書策定までに、「原発事故調査・検証委員会」による明快な分析・検討が進むことを期待した。



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  1. 開始 2012-01-15 (日) 14:01



2011年11月7日月曜日 19:08

経産相『「脱・原発依存」「輸出推進」「矛盾せず」』

昨日2011-11-06(日)の朝日新聞朝刊によれば、枝野経産相は5日の早稲田大学での講演会で、
  • 原発輸出については、相手国から要請があれば輸出するべき。
  • 我が国が今持っている技術について海外の評価にこたえるのは、むしろ国際的な責任である。
  • 原子力にはプラス面もある一方でリスクもあると指摘。リスクをどの程度重視するかは国によって違う。
  • 地震や津波がない国もあるが、日本は圧倒的に原子力を使うには適さない。
  • (原発)技術を国内で使わなくなるかもしれないが、(外国が)評価するなら、それに答えることは矛盾でない。
とのことだ。

輸出云々のまえに、今回の地震。津波による原発群に対する事故調査の分析を世界に発信するのが先ではなかろうか。これまで、事故調査委員会が国民に向けて発表するのを期待していたが、それがないままに、無責任な輸出発言がどうして出てくるのか理解しかねる。

そもそも、地震、津波で影響が原発群は;
  • 東電1F1~4だけではなく、1F5~6も、
  • 東電2F1~4もある。
  • 東北電力の女川原発、東通原発
  • 六ヶ所再処理工場 
などの、地震と津波の影響を判り易く国民や世界に向けて発信する義務があるのだと思う。

ここの原発の「構造上の破損」「配管の漏洩」「放射性核種の漏洩」などについて発表し、それでもかつ海外の評価が高く、輸出があるなら話が変わると思う。

ただ、原発事故はスリー・マイル島(TMI) 原発事故のように、「装置の故障」が切っ掛けで起ったりする事もある。それでも安全を確保するのは「軽水炉型原発」では不可能であるとおもわれる。

むしろ、今回の1Fでの大事故から可能な限りの知見を引き出した上で;
  • 原理的に安全な溶融塩型原発を開発して、今後のアジア・アフリカ地区の人口増大をバックアップするとともに、
  • 「使用済み核燃料に蓄積されている核分裂生成物質」の核種転換技術を開発して、プルトニウム問題等も積極的に回避する技術開発こそが、原水爆を持たぬ我が国が世界にできる最大の技術貢献ではないのか。
どう考えても、軽水炉技術には先が見えないが、かといって原発全体から逃げ出す事は出来ないのではないか。経産省の原発担当者の皆さんも、この危機的な状況下ではあっても、冷静に事実認識をしていただきたい。

また政治家のみなさまに置かれても、今回の1F事故は「日本という特殊的な条件下の事故」ではない事を理解してほしい。その一例は、ドイツのメルケル首相が1F事故を見て、大きく舵を切った事でる。
  • ただドイツ等のヨーロッパ諸国は一度、原発廃止を決めてから、再会した訳である。メルケルさんは、その再会に力を注いでいる時に、東電の事故を観て、原発事故の惨状を感じたのだと思う。
  • ヨーロッパも「使用済み核燃料」は解決すべき大問題である事はたしかだ。

EU, 日本だけでなく、米国, ロシア, 中国, インドなどの面積のある国々でも、 「使用済み核燃料に蓄積されている核分裂生成物質」の問題は深刻である。でも「高速増殖炉」はその対抗手段としては安全と思えない。プルトニウムにこだわらなければ、軽水炉型発電から離れる事ができるのではないか。

 枝野経産相のような「賢い政治家」はいらない。「愚直でも善いから、安全な原子炉」を一般人の手元に手配できる技術を育てていけるように、官僚を動機づける政治家が欲しいものだ。

この記事の最後に、野田政権としては、
  • 原発の輸出を再び推進に転換。
  • 日本の官民はベトナムやトルコ、ヨルダンなどへの輸出を目指し、交渉している。
とある。 地震の分布図;
と比較すると、トルコ、ヨルダンはかならずしも地震が少ないとも言えない。

そもそも、「日本では原発が危険でも、これらの国では安全」とどうして言い切れるのか。あまりにも常識的な論議すら忘れていないのだろう。

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  1. 開始 2011-11-07 (月) 19:08
  2. 追加 2011-11-08  (火) 08:34 六ヶ所村、原発の輸出
  3. 追加 2011-11-15  (火) 12:02 ヨーロッパ事情

2011年11月4日金曜日 11:29

原発事故の「隠蔽」が始まっていないか?

このところ、東電・福島第一発電所の「原子炉事故」の解明説明がないまま、幾つかの発表が行われている。単純に読めば、原子炉事故は少しずつ安全に向いて前進しているように誘導されている。例えば;
  1. 原子力委員会、2011-10-25付け、「核燃料再利用は割高」
  2. 原子力委員会、2011-10-28付け、「廃炉完了に30年超」
  3. 原発相見通し、2011-10-29付け、「20km圏の警戒区域解除」
などである。

これらの案は、本来的には「原子炉事故調査委員会」とか「原子力安全委員会」の調査結果を元に、慎重に進めていくべきものであるのにもかかわらす、安易に発表しているのではないか。特に原子力委員の発表は、その職責を逸脱しているようにおもう。

これらの共通項は「1F1の安全性の回復を、不明確にしたまま」で「安易に次のステップに目を向けている」のではないか。

例えば、第2項の「11炉完了に30年超」の記事(朝日新聞2011-10-29朝刊)を見てみると、原発事故を起こした1F1〜4の原子炉の核燃料棒としては;
  • 原子炉内に「1496体」が
  • 燃料プールに「3108体」が
あるそうである。原子炉自体に損傷があるものの、まだ原子炉容器に入っているものの、 2倍以上の燃料が「核燃料プール」という密閉性能がほとんどない構造体に存在していて、さらに「地震」、「津波」、「水素爆発」、「核燃料の飛散」という何十ものダメージを受けている。

さらに、広い意味での余震、茨城沖の直下地震等の発生もあり得る。そのような中で安易に;
  • 冷温停止から数ヶ月で住民の帰宅が可能
  • 燃料の取り出しは開始から5年程度での完了を見積もっている
といったバラ色の展望を示すだけでなく、現在時点から数年のスコープをデータを元に検討した具体策を示す必要があるのではないか。

また、原発の停止・続行に関わらず、「燃料プールに使用済み核燃料が保存されている」のは大変に危険なことである。ほんらい原子力委員会は、これらの本質的な問題を考える責任と義務があるのではないか? むしろ、本来的に、大枠の論議を正しくしてほしいものだ。「プルサーマル」「高速増殖炉」といった従来からの計画の見直しこそが原子力委員会が早急に再検討をする責務があるのだから。

他方「原発担当相」は一体どこを見て意見を出しているのだろうか。情けない事である。


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  1. 開始 2011-11-04 (金) 11:28

2011年11月2日水曜日 14:30

「原発の分布」と「地震の分布」

白地図で各種の分布を調べると善いと思った。一番ウェブで手頃なのは「Google Map」だと思って調べていたら;
この手法を調べてみたいですね。

「google maps api 使用法」で検索すると、結構参考になりそうなサイトがあるようです。この内、素人に判り易いのは;
のようです。これと、先に述べたサイトのhtmlとを比較してみると、世界地図を表すのは出来そうです。

まだ、地震の分布、原発の分布、人口の分布、などと言った統計データの入手、それを地図上にプロットする部分は、サイトのhtmlから更に探る必要があります。

以降の話は技術的な部分が多くなってくるので、兄弟Blogger;
で進めるようにします。

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  1. 開始 2011-11-02 (水) 14:30
  2. 追加 2011-11-02  (水) 18:06「google maps api 使用法」
  3. 追加 2011-11-03  (木) 11:24 Google Maps入門 
  4. 追加 2011-11-03  (木) 14:21 兄弟Blogger

2011年11月1日火曜日 9:33

世界地図の白地図

ちょっと調べてみると;
というサイトが見つかった。地震の分布と原発の分布をダイレクトに比較するのにLibreOfficeのCalcで作成できるかも知れない。

このミラー図法というのは;
のように,経度はリニアだが,緯度はノン・リニアである。グーでルマン関数の逆関数を調べる必要が在るらしい。


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  1. 開始 2011-11-01 (火) 09:33

2011年10月29日土曜日 21:20

世界中の地震の分布図と原発の関係

先ほど理科年表に目を向けると「世界地震分布図、国際地震センタ=ISC」というものがあった。 そこで、ウェブに、ISCのデータがないかと探した。ISCのサイトの見方が判らなかったが、比較的丁寧な米国の大学のサイトが見つかった;

理科年表に類似したマップには;
Figure 12.  Map of worldwide earthquakes, 1990-1993.  Figure from the USGS.
がある。少し迫力があるマップとしては;
Figure 14.  Earth's plates and earthquake epicenters from 1960-2000.  Epicenters are shown by dots with dot size proportional to earthquake magnitude.  Color of dots indicates depth of earthquake focus.  See legend in lower left hand corner.  Plate boundaries are thin lines (red = divergent boundaries; yellow = convergent boundaries; blue = transform boundaries).  Figure modified from SeisVolE screen display.


このような地震データと、世界の原子力発電所の分布図を同時に見ると、地震や津波から強く影響を受けそうな場所が分かると思われる。

我が国は、地震・津波によって原子力発電所の事故を起こした初めての国でもあり、同時に世界に向けて原子炉を輸出しようとすらしている国である。

今後、人口や産業の爆発的な増大が起る現時点で、「安全な原子力発電」を開発し、世界に貢献する責務があるのではなかろうか。

というのも、現在の軽水炉原発を止めるだけで、安全が担保できる訳ではないからだ。

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  1. 開始 2011-10-29 (土) 21:20

2011年10月28日金曜日 16:43

東電東電・福島第一原子力発電所事故より7ヶ月

東電・福島原子力発電所の事故以後2ヶ月目に、当時の菅首相から中部電力の浜岡原子力発電所の運転中止要請があった。その時に次のコメント;
を作成した。当時は、「津波の危険性」が強く危惧されていたときであり、首相の政治的決断としては、それなりに評価できるものであったと思う。

しかし、その当時は、 1Fの事故後の状態もまだ判らず、急速な状態把握、緊急対策の立案、撤去作業などが進むところであり、冷静な論議を出来ない事も止む終えないところだったと思

しかし、その後、首相の交代ごには、与野党を含めたな論議、原子力安全委員会などを中心とした、現状把握、データの開示(1Fの地震・津波による力学的データ、監視カメラの画像、放射線量・核種の分析)のもとに、今後の修復計画立案、他の原子力発電システムにたいする緊急対策の提言などを国民に向けて判り易く紹介する。

それを受けて国会の場で
  • 1Fでの状況の開示と「冷温停止」の定量的な裏付け
  • 1F4の「使用済み核燃料プール」の対策現状と、今後の安全対策の提案。
をしっかりと論議するべきであろう。

それと平行して、原子力委員会は、広い観点から、中長期的な原子力発電についての再評価の提言をするものと思っていたが、昨日の記事のように;
なんとも、不適切な試案を出したのにとどまっている。

また、原子力安全委員会は、これまでの対応不足について責任をとって辞任し、あらたなメンバーで、国民に向かって明快な説明を旨とした新委員会を立ち上げるべきではないのか。たとえ、1・2ヶ月くらいの時間が空費しても、最終的には「実質的で早い」結論が得られるのではなかろうか。





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  1. 開始 2011-10-28 (金) 16:43