このところ、東電・福島第一発電所の「原子炉事故」の解明説明がないまま、幾つかの発表が行われている。単純に読めば、原子炉事故は少しずつ安全に向いて前進しているように誘導されている。例えば;
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- 原子力委員会、2011-10-25付け、「核燃料再利用は割高」
- 原子力委員会、2011-10-28付け、「廃炉完了に30年超」
- 原発相見通し、2011-10-29付け、「20km圏の警戒区域解除」
などである。
これらの案は、本来的には「原子炉事故調査委員会」とか「原子力安全委員会」の調査結果を元に、慎重に進めていくべきものであるのにもかかわらす、安易に発表しているのではないか。特に原子力委員の発表は、その職責を逸脱しているようにおもう。
これらの共通項は「1F1の安全性の回復を、不明確にしたまま」で「安易に次のステップに目を向けている」のではないか。
例えば、第2項の「11炉完了に30年超」の記事(朝日新聞2011-10-29朝刊)を見てみると、原発事故を起こした1F1〜4の原子炉の核燃料棒としては;
- 原子炉内に「1496体」が
- 燃料プールに「3108体」が
あるそうである。原子炉自体に損傷があるものの、まだ原子炉容器に入っているものの、 2倍以上の燃料が「核燃料プール」という密閉性能がほとんどない構造体に存在していて、さらに「地震」、「津波」、「水素爆発」、「核燃料の飛散」という何十ものダメージを受けている。
さらに、広い意味での余震、茨城沖の直下地震等の発生もあり得る。そのような中で安易に;
- 冷温停止から数ヶ月で住民の帰宅が可能
- 燃料の取り出しは開始から5年程度での完了を見積もっている
といったバラ色の展望を示すだけでなく、現在時点から数年のスコープをデータを元に検討した具体策を示す必要があるのではないか。
また、原発の停止・続行に関わらず、「燃料プールに使用済み核燃料が保存されている」のは大変に危険なことである。ほんらい原子力委員会は、これらの本質的な問題を考える責任と義務があるのではないか? むしろ、本来的に、大枠の論議を正しくしてほしいものだ。「プルサーマル」「高速増殖炉」といった従来からの計画の見直しこそが原子力委員会が早急に再検討をする責務があるのだから。
他方「原発担当相」は一体どこを見て意見を出しているのだろうか。情けない事である。
他方「原発担当相」は一体どこを見て意見を出しているのだろうか。情けない事である。
- 開始 2011-11-04 (金) 11:28
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