2011年11月7日月曜日 19:08

経産相『「脱・原発依存」「輸出推進」「矛盾せず」』

昨日2011-11-06(日)の朝日新聞朝刊によれば、枝野経産相は5日の早稲田大学での講演会で、
  • 原発輸出については、相手国から要請があれば輸出するべき。
  • 我が国が今持っている技術について海外の評価にこたえるのは、むしろ国際的な責任である。
  • 原子力にはプラス面もある一方でリスクもあると指摘。リスクをどの程度重視するかは国によって違う。
  • 地震や津波がない国もあるが、日本は圧倒的に原子力を使うには適さない。
  • (原発)技術を国内で使わなくなるかもしれないが、(外国が)評価するなら、それに答えることは矛盾でない。
とのことだ。

輸出云々のまえに、今回の地震。津波による原発群に対する事故調査の分析を世界に発信するのが先ではなかろうか。これまで、事故調査委員会が国民に向けて発表するのを期待していたが、それがないままに、無責任な輸出発言がどうして出てくるのか理解しかねる。

そもそも、地震、津波で影響が原発群は;
  • 東電1F1~4だけではなく、1F5~6も、
  • 東電2F1~4もある。
  • 東北電力の女川原発、東通原発
  • 六ヶ所再処理工場 
などの、地震と津波の影響を判り易く国民や世界に向けて発信する義務があるのだと思う。

ここの原発の「構造上の破損」「配管の漏洩」「放射性核種の漏洩」などについて発表し、それでもかつ海外の評価が高く、輸出があるなら話が変わると思う。

ただ、原発事故はスリー・マイル島(TMI) 原発事故のように、「装置の故障」が切っ掛けで起ったりする事もある。それでも安全を確保するのは「軽水炉型原発」では不可能であるとおもわれる。

むしろ、今回の1Fでの大事故から可能な限りの知見を引き出した上で;
  • 原理的に安全な溶融塩型原発を開発して、今後のアジア・アフリカ地区の人口増大をバックアップするとともに、
  • 「使用済み核燃料に蓄積されている核分裂生成物質」の核種転換技術を開発して、プルトニウム問題等も積極的に回避する技術開発こそが、原水爆を持たぬ我が国が世界にできる最大の技術貢献ではないのか。
どう考えても、軽水炉技術には先が見えないが、かといって原発全体から逃げ出す事は出来ないのではないか。経産省の原発担当者の皆さんも、この危機的な状況下ではあっても、冷静に事実認識をしていただきたい。

また政治家のみなさまに置かれても、今回の1F事故は「日本という特殊的な条件下の事故」ではない事を理解してほしい。その一例は、ドイツのメルケル首相が1F事故を見て、大きく舵を切った事でる。
  • ただドイツ等のヨーロッパ諸国は一度、原発廃止を決めてから、再会した訳である。メルケルさんは、その再会に力を注いでいる時に、東電の事故を観て、原発事故の惨状を感じたのだと思う。
  • ヨーロッパも「使用済み核燃料」は解決すべき大問題である事はたしかだ。

EU, 日本だけでなく、米国, ロシア, 中国, インドなどの面積のある国々でも、 「使用済み核燃料に蓄積されている核分裂生成物質」の問題は深刻である。でも「高速増殖炉」はその対抗手段としては安全と思えない。プルトニウムにこだわらなければ、軽水炉型発電から離れる事ができるのではないか。

 枝野経産相のような「賢い政治家」はいらない。「愚直でも善いから、安全な原子炉」を一般人の手元に手配できる技術を育てていけるように、官僚を動機づける政治家が欲しいものだ。

この記事の最後に、野田政権としては、
  • 原発の輸出を再び推進に転換。
  • 日本の官民はベトナムやトルコ、ヨルダンなどへの輸出を目指し、交渉している。
とある。 地震の分布図;
と比較すると、トルコ、ヨルダンはかならずしも地震が少ないとも言えない。

そもそも、「日本では原発が危険でも、これらの国では安全」とどうして言い切れるのか。あまりにも常識的な論議すら忘れていないのだろう。

ーーーー このポストの履歴

  1. 開始 2011-11-07 (月) 19:08
  2. 追加 2011-11-08  (火) 08:34 六ヶ所村、原発の輸出
  3. 追加 2011-11-15  (火) 12:02 ヨーロッパ事情

2011年11月4日金曜日 11:29

原発事故の「隠蔽」が始まっていないか?

このところ、東電・福島第一発電所の「原子炉事故」の解明説明がないまま、幾つかの発表が行われている。単純に読めば、原子炉事故は少しずつ安全に向いて前進しているように誘導されている。例えば;
  1. 原子力委員会、2011-10-25付け、「核燃料再利用は割高」
  2. 原子力委員会、2011-10-28付け、「廃炉完了に30年超」
  3. 原発相見通し、2011-10-29付け、「20km圏の警戒区域解除」
などである。

これらの案は、本来的には「原子炉事故調査委員会」とか「原子力安全委員会」の調査結果を元に、慎重に進めていくべきものであるのにもかかわらす、安易に発表しているのではないか。特に原子力委員の発表は、その職責を逸脱しているようにおもう。

これらの共通項は「1F1の安全性の回復を、不明確にしたまま」で「安易に次のステップに目を向けている」のではないか。

例えば、第2項の「11炉完了に30年超」の記事(朝日新聞2011-10-29朝刊)を見てみると、原発事故を起こした1F1〜4の原子炉の核燃料棒としては;
  • 原子炉内に「1496体」が
  • 燃料プールに「3108体」が
あるそうである。原子炉自体に損傷があるものの、まだ原子炉容器に入っているものの、 2倍以上の燃料が「核燃料プール」という密閉性能がほとんどない構造体に存在していて、さらに「地震」、「津波」、「水素爆発」、「核燃料の飛散」という何十ものダメージを受けている。

さらに、広い意味での余震、茨城沖の直下地震等の発生もあり得る。そのような中で安易に;
  • 冷温停止から数ヶ月で住民の帰宅が可能
  • 燃料の取り出しは開始から5年程度での完了を見積もっている
といったバラ色の展望を示すだけでなく、現在時点から数年のスコープをデータを元に検討した具体策を示す必要があるのではないか。

また、原発の停止・続行に関わらず、「燃料プールに使用済み核燃料が保存されている」のは大変に危険なことである。ほんらい原子力委員会は、これらの本質的な問題を考える責任と義務があるのではないか? むしろ、本来的に、大枠の論議を正しくしてほしいものだ。「プルサーマル」「高速増殖炉」といった従来からの計画の見直しこそが原子力委員会が早急に再検討をする責務があるのだから。

他方「原発担当相」は一体どこを見て意見を出しているのだろうか。情けない事である。


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  1. 開始 2011-11-04 (金) 11:28

2011年11月2日水曜日 14:30

「原発の分布」と「地震の分布」

白地図で各種の分布を調べると善いと思った。一番ウェブで手頃なのは「Google Map」だと思って調べていたら;
この手法を調べてみたいですね。

「google maps api 使用法」で検索すると、結構参考になりそうなサイトがあるようです。この内、素人に判り易いのは;
のようです。これと、先に述べたサイトのhtmlとを比較してみると、世界地図を表すのは出来そうです。

まだ、地震の分布、原発の分布、人口の分布、などと言った統計データの入手、それを地図上にプロットする部分は、サイトのhtmlから更に探る必要があります。

以降の話は技術的な部分が多くなってくるので、兄弟Blogger;
で進めるようにします。

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  1. 開始 2011-11-02 (水) 14:30
  2. 追加 2011-11-02  (水) 18:06「google maps api 使用法」
  3. 追加 2011-11-03  (木) 11:24 Google Maps入門 
  4. 追加 2011-11-03  (木) 14:21 兄弟Blogger

2011年11月1日火曜日 9:33

世界地図の白地図

ちょっと調べてみると;
というサイトが見つかった。地震の分布と原発の分布をダイレクトに比較するのにLibreOfficeのCalcで作成できるかも知れない。

このミラー図法というのは;
のように,経度はリニアだが,緯度はノン・リニアである。グーでルマン関数の逆関数を調べる必要が在るらしい。


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  1. 開始 2011-11-01 (火) 09:33